「お経について」
仏教の経典は通常「お経」と呼ばれます。「経」とはたて糸のことです。お釈迦様ご自身が書き示されたものはなく、すべて、釈尊の入滅後、仏弟子たちが伝承(聞き伝え)したお釈迦様の言葉を、後世の人たちがまとめたものです。結集(けつじゅう)という経典編纂会議を重ねた結果、お経は膨大な数になりました。
紀元前後から、次第に仏教経典はシルクロードを経て、インドから中国に伝わりました。そして盛んに漢訳されました。これに係わったのが玄奘(げんじょう)、鳩摩羅什(くまらじゅう)、不空(ふくう)など「三蔵法師」と呼ばれる人たちです。特に有名なのは玄奘三蔵で、西遊記で孫悟空たちと登場します。
経典が文字としてまとめられてくると、やがて盛んに読誦(どくじゅ)されるようになります。釈尊の入滅後すぐは、短い定型文を暗誦(あんじゅ)していただけですが、多くの経典が確立して尊ばれるようになると、皆が書写して、それを盛んに読誦するようになりました。そして、今日まで続いてきたのです。
もともと、お経は文字になる前は「音」で伝わったのです。文字となっても「声」に出して読むことが熱心に行われました。私たちもただ、ながめていてはいけません。声に出して読むことが最も大切で、意味はその後で良いようです。とにかく声に出して読んでみましょう。
般若心経
消災呪
大智禅師発願文
大悲呪
普門品偈
寿量品偈
坐禅箴