禅宗は、坐禅を第一の宗旨とします。
読経と同じくらい坐禅も大切な修行です。
坐禅とは、自らが「ほとけの姿」を行じると。
「ほとけの姿」とは、刻一刻変化して移り変わる、今、この瞬間を
ありのままに受けとめる姿。
決められた時間を動かずに坐ります。
形を定めることで、心が定まると信仰した「仏行」です。
死すれば誰でも仏さまになれますが、坐禅は生きているあいだに、
ほとけになれる唯一の「仏行」です。
では、坐禅の作法を、順にお伝え致します(自宅でのしかた)。
① 厚めのクッションか、座布団を折ったものを用意しておきます。
② 仏間か座敷、自室でもかまいません。
壁や障子や襖などに対面できるように整頓します。
香りの良い線香を、1本立てます。
③ 「面壁(めんぺき)」といって、壁や障子や襖に向いて、
まずは、あぐらで坐って下さい。
次に、用意したクッションや座布団をお尻の下に敷きます。
④ 右足を左の腿の上に引き上げます。
次に左足を右の腿の上に引き上げます。
これを「結跏趺坐(けっかふざ)」といいます。
無理な場合は、左足を右の腿の上に引き上げるのみです。
これは「半跏趺坐(はんかふざ)」といいます。
どちらも無理であれば、あぐらか正座にします。
⑤ 手のひらを上に向け、右手は右のひざ頭、左手は左のひざ頭に置き、
体全体を左右にゆっくり揺らします
「左右揺身(さゆうようしん)」。
徐々に揺りを小さくして、中心でピタリと止めます。
⑥ 手のひらを上に向けたまま両手をおへその真下で組みます。
右手の上に左手を指の部分だけ重ねて、親指どうしを指先のみ触れ合わ
せます。
ちょうど、丸いものを包み持った感じです
「法界定印(ほっかいじょういん)」。
⑦ 背筋をまっすぐに伸ばして顎を引きます。
視線を壁や障子の下部に降ろします。目は閉じません。
口を閉じて「調身(ちょうしん)」、鼻で丁寧に腹式呼吸します
「調息(ちょうそく)」。
⑧ 雑音・明暗・痛い・辛い・眠い・寒暖・空腹・心配・過去・未来・
想像連想すべてそのままほったらかし「調心(ちょうしん)」。
⑨ 決めた時間、動かずに坐ります。
⑩ 時間が来たら、合掌底頭し、左右揺身して、坐を解きます。
(参考)
寺院や禅堂での作法は、実際に参禅した折に、直接指導を受けて下さい。
宛陵寺では、毎週土曜日、午後7時より「坐禅会」を行っています。